そろばん珠の数の移り変わりを紹介:天2地5そろばん
当館学芸員が選ぶ「所蔵資料セレクション」シリーズ第3弾は、そろばんの珠の数の移り変わりがテーマです。
室町時代末期に中国から日本に伝来したそろばんは「五珠2個・一珠5個」でしたが、現在では「五珠1個・一珠4個」となりました。
様々な珠の数のそろばんを紹介し、その変遷をたどります。
中国から渡来したそろばんは、珠の数が五珠2個、一珠5個でした。これには、以下のような理由があると考えられています。
当時の中国では重さを量るのに「斤」「両」という単位を使っていました。16両で1斤です。こうした16進法の数を計算するのに五珠が2個あると便利だったのです。
また、同時に渡来した割り算の計算方法が、割算九九を使う「帰除法」でした。帰除法で計算する場合、1桁に15を置く必要があるのです。