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そろばんをテーマにした夏休みの自由研究をご紹介いたします

今年もそろばんをテーマにした夏休みの自由研究が2編届きました。
第4回そろばんサマーミステリーにご参加いただいた白鳥琴子さん(小学3年生)と、夏休みに日本そろばん資料館に見学に来られた齋藤未怜さん(小学4年生)の自由研究です。ここに一部をご紹介いたします。


白鳥琴子さんの自由研究「そろばんの歴史」

齋藤未怜さん自由研究「そろばんは ばんのう?」


東京都の教員で珠算教育研究所 算数教具部会委員の大場一輝先生に、お二人の自由研究への講評をいただきました。

そろばんに関わる研究発表を踏まえて

1 はじめに

お二人の発表を拝見しました。
若き“研究者“が、自分なりの課題を見つけ、自分なりの見解を導いています。たいへん価値のあることであり、頼もしい限りです。
私自身、改めて、そろばんについて勉強させてもらいました。

2 研究を拝見して

(1)総評

2本の研究に共通する価値があります。それは、研究することへの情熱を傾けたこと、そして、研究への取り組み方(何をどのように研究するとよいか)を学び、活用したことです。今後、そろばんのみならず、他の研究課題に対しても、活用することができます。
では、各研究内容のすばらしいところ、たくさんありますが、一部を次に記していくこととします。

(2)それぞれの研究について

①白鳥さんの研究について

☆研究のよいところ
人は、学ぶことによって様々な見方・考え方を生涯にわたり育てていくことができます。
今回の研究は、そろばんに関して、歴史的な見方・考え方に基づく考察がされています。
人が生活している土地や時代の移り変わりに着目して、同じところや違うところを比べたり、特徴を明らかにしたりすることで、結論を導いています。それぞれの地域で使われているそろばんは、使われている数の世界とつながっていること、そして、自分たちがよりよくなるように英知を結集して洗練してきたことを見出しています。

★研究の発展性への期待
現在、世界の多くの国でそろばんを使った学習が行われています。それは、そろばんのよさを多くの人たちが理解してくれているからです。世界で使われている様々な数がどのようなしくみでできているのか、それがそろばんの活用とどうつながっているのかなど、さらに探究したいと感じさせてくれました。

白鳥さんの自由研究では、世界の様々な地域・時代でそろばんがどのように使われていたが紹介されています

②齋藤さんの研究について

☆研究のよいところ
齋藤さんが得意としている“計算”の可能性について、自分が学習してきた数に着目して探究を続けました。算数で学ぶ内容は、「かんたん」「はっきり」「いつでも」を目指して発展していきます。果たして、整数、小数、分数の計算は、そろばんを用いて具体的にどう操作するとできるのか。視覚的にわかりやすく示してくれています。

★研究の発展性への期待
小学校で学習する数の世界は、中学校…へ行くと、さらに広がっていきます。それに伴って計算の可能性は、どう広がりを見せるでしょうか。そろばんを用いた計算方法についてさらに探究をしてみたいと感じさせてくれました。

齋藤さんの自由研究では、日本そろばん資料館に展示されているそろばんについても詳しく紹介されています

3 むすびに

お二人がそろばんと出合えたことによって、もっている力を存分に発揮する機会が得られました。とても、うれしいことです。このような出合いやつながりを今後も大切にしていってほしいと思います。この度は、本当にありがとうございました。