見出し画像

「塵劫記」の著者・吉田光由の足跡を辿って京都嵯峨を歩きました

1627年(寛永4年)に刊行された算術書「塵劫記」は、そろばんの教科書として使われ、日本独自の数学「和算」発展の礎となりました。
「塵劫記」の著者・吉田光由の足跡を辿って、京都嵯峨嵐山近郊を散策しました。

(日本そろばん資料館 島岡成紀)


観光客でにぎわうJR嵯峨嵐山駅から西へ、常寂光寺を目指します。

吉田光由は京都嵯峨の豪商・角倉家の一族で、記念碑や墓所は角倉家の縁の地にあります。

1キロ余り歩くと、常寂光寺の山門に着きます。

山門の近くに「塵劫記」の顕彰碑があります。

この顕彰碑は、塵劫記刊行350年を記念して、1977年(昭和52年)に建立されたものです。

長い石段を登ると常寂光寺の本堂です。秋は紅葉の名所です。

常寂光寺から北へ少し歩くと、二尊院の山門に着きます。

二尊院は角倉家の菩提寺で、吉田光由の墓所があると推定されています。
墓所には吉田光由記念碑も建てられています。

すぐそばに角倉了以の功績を称える像も建立されています。

そろばんを持った信楽焼のミニたぬきたち。散策途中のお店に並んでいました。
そろばんの教科書の原点でもある「塵劫記」が刊行されて間もなく400年になります。嵐山まで出かけたら、一度これらの地を訪ねてみてはいかがでしょうか。

なお、先日発行された「珠算春秋」第108号(公益社団法人全国珠算教育連盟:令和6年6月20日発行)には、日本そろばん資料館学芸員の太田敏幸先生による「History -そろばん歴史探訪記3- 塵劫記の著者『吉田光由』を訪ねて」と題した記事が掲載されています。
今回のレポートで取り上げたスポットをはじめとする吉田光由ゆかりの地の数々が、詳細な解説とともに紹介されています。合わせてお読みいただけましたら幸いです。