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そろばん用語集:C.指の使い方・珠の動かし方についての用語

珠算教育研究所 「新珠算用語集」〈初出:「珠算春秋 No.98」2014年6月刊〉を編集したものです。
なお,年代や解釈によって用語には差異があることをご了承ください。


1.運指法(うんしほう)

そろばんの珠を弾くのに,一指法と二指法がある。このような指の使い方を総称して運指法という。
また,二指法の場合,親指で一珠を上げる。人差し指で一珠を取るなどの指の使い方も運指法である。

2.一指法(いっしほう)

そろばんの珠を弾くのに,人差し指1本を使う方法をいう。

3.二指法(にしほう)

そろばんの珠を弾くのに,親指と人差し指の2本を使う方法をいう。

4.おく・置く(おく)

そろばんに数を表示させるとき,この操作を「おく」という。「盤面またはそろばんに数を置く」という言い方をする。「布数する」ともいう。

5.はらう・払う(はらう)

盤面(そろばん面)を0の状態にすること。御破算と同じ。
「引く」という意味と同じ解釈をして「4を払う」,「7を払う」という言い方もあるが,これは正しい言い方ではない。

6.いれる・入れる(いれる)

珠算では,珠を動かして足し算をするので「いれる」という語を用いる。「足す」,「加える」ともいう。

7.たす・足す(たす)・加える(くわえる)

珠算では珠を動かして足し算をするので「たす」という語を用いる。「入れる」ともいう。

8.とる・取る(とる)・ひく・引く(ひく)

珠算では珠を動かして引き算をするので「とる」という語を用いる。

9.運珠法(うんしゅほう)

珠算では珠を操作して計算するので,加法・減法においてどのような順序で珠を動かすかが珠算学習の基礎となる。この珠を動かす操作方法を運珠法という。
運珠には,3+8の場合に3+10-2とする計算順序(先珠さきだま法)と,3-2+10とする計算順序(後珠あとだま法)の2つの方法がある。
[注:3+4の場合に3+5-1とする運珠は先珠法といわない。]
運珠の操作に関しては,次のように分類される。

添入(てんにゅう)
 上添(じょうてん)2+5の場合,5を加える操作
 下添(かてん)6+2の場合,2を加える操作
 上下添(じょうかてん)2+6の場合,6を加える操作
排開(はいかい)
 上排(じょうはい)8-5の場合,5を引く操作
 下排(かはい)8-2の場合,2を引く操作
 上下排(じょうかはい)8-6の場合,6を引く操作
上添下排(じょうてんかはい)3+4の場合,五珠を入れ一珠を取る操作
下添上排(かてんじょうはい)7-4の場合,一珠を入れ五珠を取る操作
右排左進(うはいさしん)
 上排左進(じょうはいさしん)7+5の場合,五珠を取って上位に一珠を入れる操作
 下排左進(かはいさしん)4+9の場合,一珠を取って上位に一珠を入れる操作
上下排左進(じょうかはいさしん)8+4の場合,五珠と一珠を取って上位に一珠を入れる操作
 下添上排左進(かてんじょうはいさしん)(7+6の場合,一珠を入れ五珠を取って上位に一珠を入れる操作)
左退右添(さたいうてん)
 左退上添(さたいじょうてん)(12-5の場合,上位の一珠を取り下位に五珠を入れる操作)
 左退下添(さたいかてん)(15-9の場合,上位の一珠を取り下位に一珠を入れる操作)
 左退上下添(さたいじょうかてん)(11-4の場合,上位の一珠を取り下位に五珠と一珠を入れる操作)
 左退上添下排(さたいじょうてんかはい)(13-6の場合,上位の一珠を取り下位に五珠を入れ,一珠を取る操作)

この分類のうち,添入・上添下排・右排左進の加法の操作をまとめて「運手三法」,これに排開・下添上排・左退右添の減法の操作を加えて,これを併せて「運珠六法」という。

10.先珠(さきだま)

分類Cの「運珠法」の項を参照。
例:3+8の場合,10を先に入れて2を取ること。

11.後珠(あとだま)

分類Cの「運珠法」の項を参照。
例:3+8の場合,2を先に取って10を入れること。